青森県西津軽郡鰺ヶ沢町浜横沢町字椛ノ沢の路傍(訪問日:2022年9月25日)小ノ畑(小の畑、小野畑)集落の北口、香取神社に向かって南進している途中に右手に、鬱蒼と茂る木立に向かって伸びる階段があります。向かいには一軒家(佐藤氏)があるため分かりやすいと思います。
階段を上がりきると斜面に複数の石塔が並んでいるのが分かります。いずれも庚申塔です。そこそこの傾斜なので滑らないよう気をつけて撮影しました。
文字庚申塔(幸神塔)①
刻銘「元治二乙丑年三月十五日(1865) / 願主小野畑村村中敬白 / 幸神」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
文字庚申塔(幸神塔)②
刻銘「天保三辰年七月十六日(1832) / 願主小野畑村中惣邑中敬白 / 幸神」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
刻銘「元治二乙丑年三月廿五日(1865) / 【願主小野畑村中敬白】 / 猿田彦」※【】内は資料より抜粋。
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
上記の石塔群のそばには小ぶりな無銘の石塔もいくつかあり、もともとはこれらも庚申さまとして祀られていたものと思われます。
1番右の石塔の表面には「庚」の刻字があるようにも見えます。
石塔群の背後にはツカ上げ(庚申のツカ)も確認できました。しかしかなり風化が進んでおり、当地ではこの習俗は衰退しているようです。
訪問から2年近く経過しているため、もしかすると新しいツカが上がっているかもしれません。またいずれ確認してみたいと思います。雲板。日天月天、瑞雲、岩木山の図柄。至ってスタンダードな雲板です。
柱には墨書が残っており、「・・五穀豊穣・・」の字のみかろうじて判読できます。他にも複数のツカ上げの痕跡がありますが、いずれもかなり状態は悪いです。それと昔に建てられていた鳥居(資料中に掲載)が解体されそのまま放置されていました。
所在地