石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

庚申塔(弘前市悪戸・常盤神社)(津軽地方の青面金剛仏 #1〜#2)

青森県弘前市悪戸字村元の常盤神社(探訪日:2022年9月23日)

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社殿へ続く参道脇に石塔群があり、青面金剛庚申塔1基(市指定有形文化財)や二十三夜塔1基、文字庚申塔3基、石造庚申塚1基、先述のものとは別の青面金剛庚申塔1基が並べ置かれています。

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この記事にて掲載するのは青面金剛庚申塔2基となります。

まずは有形文化財指定を受けている方から。

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「元禄十五壬午六月十日(1702)」

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弘前市教育委員会設置の解説板には庚申信仰を簡潔にまとめたテンプレ、津軽地方にある庚申供養塔のおおよその数、当塔は目屋街道沿いから移設してきた旨などが記されています。

 

『市指定有形文化財 青面金剛庚申塔 一基 平成五年四月二十六日指定

 庚申は、六十日に一度巡ってくる庚申の日に、その夜を眠らずに過ごして健康・長寿を願う信仰である。これを守庚申または庚申待という。守庚申は平安・鎌倉時代、その夜詩歌管弦して眠らぬ一夜を過ごし、庚申待ちは宗教的儀礼の勤行をしてその夜を過ごすことをいい、礼拝本尊によって仏教・神道の神仏が当てられている。石塔は、前記神仏像・文字や庚申等の文字を刻している。

 津軽においても盛んに信仰され、一三〇〇基余の石塔が確認されている。

 この石塔は、もと目屋街道沿いに有ったものを昭和に入りここ常盤神社内に移したものであるが、弘前市内の民間信仰の石塔中最古の紀念名(元禄十五・一七〇二年)を有し、青面金剛の像を刻している。

 管理者悪戸町会 弘前市教育委員会

 

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稀有な像容をしていて、とても面白いですね。

 

続いては2基目。こちらは風化・摩滅が進んで像容や紀年銘がはっきりとしません。しかし、よくよく観察すると上のものとかなり似た形式で彫刻されており、それぞれ近い年代に建立されたと考えられます。

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「銘不詳」

残念ながら紀年銘は判読できず。

 

常盤神社の地図