山梨県上野原市上野原の護國山慈眼寺(訪問日:2023年11月3日)慈眼寺入り口。目新しい三界万霊塔があります。
本堂。訪問当時、法要が執り行われていました。
境内の隅に石仏群の置かれたエリアがあり、複数の民間信仰塔の存在を確認できます。
手前の向かって右から紹介します。
六十六部廻国供養塔(丸彫地蔵菩薩立像廻国供養塔)
刻銘「正徳二壬辰十一月八日(1712) / 波多野弥兵 波多野新右エ門 / 六十六部供養爲二親菩提也」
刻銘「文化十癸酉年仲秋(1813) / 旧塔延宝九年(1681) / 當村女念佛講中 / 世話人 平兵衛母 弥兵次母 元十六世州見代」御尊容
石仏群のとなりには覆屋を伴うお地蔵さんが祀られています。
幟には「愚痴聞地蔵尊」とあります。
脇の石碑には「心を落ち着け(禅心)愚痴聞き地蔵に御参りしましょう」と刻まれています。
覆屋内にも石碑があり、「この世の中、いろいろなことがありますね あなたが悔い迷い憂いを抱いているのなら あなたの心をぐちきき地蔵に話してみませんか」と刻まれています。
私は今までに変わった信仰を伝える地蔵尊にそれなりにお参りしてきましたが、その中でも「愚痴を聞いてくださる」地蔵尊は初めてお会いしました。愚痴聞地蔵尊。丸彫像。人々の悩みを聞き漏らさないよう聞き耳を立てています。相当最近に建てられたものと思われ、元からあったお地蔵さんが風化や摩滅により憐れな姿となったために新造された可能性もあります。
慈眼寺の所在地