石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

庚申塔と歌碑(鰺ヶ沢町舞戸町・小夜薬師堂跡)(津軽地方の猿田彦神 #17)

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町舞戸町字小夜の小夜薬師堂跡(小夜薬師堂遺跡)(探訪日:2022年9月27日)

県立鰺ヶ沢高校から国道101号線に入り北西へ進み、清滝橋に差し掛かる直前に「大本山総持寺25哲 道叟道愛禅師入寂の地」「薬師様 曹洞宗高澤寺」という2つの看板があります。

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f:id:nagatorowo2:20230625175409j:imageこの階段をあがった先に小夜薬師堂跡があります。
f:id:nagatorowo2:20230625175412j:image基本は藪漕ぎ必至です。
f:id:nagatorowo2:20230625175419j:image薬師堂に辿り着く前に猿田彦大神塔を見つけました。庚申塔です。
f:id:nagatorowo2:20230625175416j:image刻銘「安政七庚申年三月吉辰(1860) / 願主 堺屋某 敬白」
f:id:nagatorowo2:20230625175422j:image小夜薬師堂と歌碑
f:id:nagatorowo2:20230625175429j:image扉は開けてないので分かりませんが、小祠には薬師様が祀られているのでしょう。
f:id:nagatorowo2:20230625175425j:image小祠の隣に歌碑があります。これは道叟道愛禅師の頌徳碑でもあり、禅師の死去550年に信徒がその虚跋を景仰して大正13年(1924)に建立したもの。

刻銘「小夜やまの瑠璃の  比かり農賀ゝやくは  み乃りのひ路む志るしなる良舞 / 総持石禅応嘱書」
f:id:nagatorowo2:20230625175433j:image植物の繁茂する中に倒れた解説板がありました。
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解説板 高沢寺道場跡 薬師様
鰺ヶ沢町大字舞戸町清滝
この場所は、亨禄三年(一三五〇年)高沢寺の開祖である道叟道愛禅師が道場を開いた場所で鯵ヶ沢の仏教遺跡として貴重なところである。
 薬師様とは病気を治す仏様で、信仰する人びとがこの場所に祀った。病気を患った人たちが、穴のあいた石や細長い石をお供えして祈っていたところであり、江戸時代から「やくしさま」と言われて親しまれ、また、憩いの場所としても利用されていた。
 戦前の鯵ヶ沢では、旧四月八日が薬師様の縁日でもあったことから、この場所で館講が行われており、当時はここにそば屋が出たりしてにぎわっていた。
 一説には天童山(長松館)に居城していた津軽百助が、弘前城に引き上げるとき送別会を開いたのが館講の始まりと言い伝えがある。
 館講は、年中行事の一つで、旧三月から四月の一定の日に山や海辺へ行って食事をする風習であり、山の神をお祭りする日、仕事始めの日などとして全国各地で行われていた。

 

f:id:nagatorowo2:20230625175439j:image個人的に津軽随一の穴場スポットだと思います。

小夜薬師堂跡の地図