石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

庚申塔(港区南青山4丁目・路傍)

東京都港区南青山4丁目の三叉路(訪問日:2023年11月14日)

f:id:nagatorowo2:20231115162106j:image住宅街の路傍
f:id:nagatorowo2:20231115162109j:image庚申塔(庚申塚)が解説板を伴って置かれていました。

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解説板 港区指定文化財
歴史資料 青山の庚申塔
 本庚申塔は、高さ百三cm、最大幅九十四cm、最大厚十七cm、安山岩根府川石)で作成されています。石塔の形態は板状の「自然石形」を呈し、下部の一部は地中に埋まっています。銘文は正面に「庚申塔」と刻まれており、その下に花押がありますが、揮毫した人物は未詳です。その右側には「慶應元乙丑年」、左側には「五月大祥吉日」とあり、慶応元年(一八六五)五月に造立されたものであることがわかります。さらにその右側には、一部剥離していますが「右 あをやま 内とうしん[宿] ほりのう[ち]」、左側には「左 二十きおくみ屋[敷ヵ]  百人おくみ屋[敷ヵ] ぜんこ[うじ]」と刻まれており、この庚申塔が「右 青山・内藤新宿・堀之内」、「左 二十騎組屋敷・百人組屋敷・善光寺」の方向を示す道標の役割も果たしていたと考えられます。
 また、この地域では昭和初期まで庚申祭(庚申講)が行われていたと伝えられていますが、この庚申塔はそうした民間信仰が江戸時代に遡ることを示す貴重な資料です。
平成二十七年十月十四日
港区教育委員会


f:id:nagatorowo2:20231115162112j:image文字庚申塔(併用道標)


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刻銘「慶應元乙丑年五月大祥吉日(1865)」

「右 あをやま 内とうしん[宿] ほりのう[ち] / 左 二十きおくみ屋[敷]  百人おくみ屋[敷] ぜんこ[うじ]」

所在地