石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

庚申塔(弘前市如来瀬・神明宮)(津軽地方の青面金剛仏 #5)

青森県弘前市如来瀬字山田の神明宮(探訪日:2022年9月28日)

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境内は静謐な雰囲気に包まれています。自生する木々のほとんどが太く長く、古からの信仰の地であったことが伝わります。
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弘前市教育委員会設置の説明板によると、神明宮は平成23年度の調査で発見された「如来瀬石切丁場跡」という史跡に相当するようです。ここから弘前城本丸の石垣の原材料となる石材を掘り出したり、切り出したりするなどの加工作業を行っていたとのこと。 いろいろが解説されたブログ(http://dsntsugaru.blog.fc2.com/blog-entry-432.html)を書かれている方がいらっしゃいましたので、詳しくはそちらを参照することをオススメします。
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境内には人の背丈ほどの高さのある石塔があり、「南無青面金剛帝釋尊天」と刻まれていました。庚申塔です。

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刻銘「寛政九丁巳年七月廿二日(1797) / 如來瀬邑」

まだ実見には至っていませんが、大字如来瀬に隣接する大字兼平にも上掲のと同じく主銘に「南無青面金剛帝釋尊天」と刻む庚申塔があります。

旧岩木町、旧相馬村、旧東目屋村にかけて、津軽地方では希少な青面金剛 or 帝釈天を主尊としていたと分かる庚申塔が比較的多く分布しており、津軽地方の庚申信仰を考える上で、かなり重要な地域であると思います。
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神明宮の地図