石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

双体道祖神と十王十仏板碑ほか(邑楽郡板倉町大曲・浄蓮院)

群馬県邑楽郡板倉町大曲の浄蓮院(探訪日:2023年8月3日)

f:id:nagatorowo2:20230805175217j:image浄蓮院境内、大日堂の前に石仏群が安置されています。
f:id:nagatorowo2:20230805175220j:image標柱や看板が設置されており、何基かは文化財指定を受けているのが分かります。


f:id:nagatorowo2:20230805175224j:image青面金剛庚申塔

刻銘「正徳四甲午十一月吉日(1714) / 大曲村 / 奉供養」


f:id:nagatorowo2:20230805175227j:image文字庚申塔 その1

f:id:nagatorowo2:20230807111111j:image刻銘「上刕邑樂郡大曲村中」
f:id:nagatorowo2:20230807111108j:image「寛政十二庚申十一月吉日(1800)」


f:id:nagatorowo2:20230805175231j:image文字庚申塔 その2

刻銘「萬延元庚申年十一月吉日(1860)」


f:id:nagatorowo2:20230806160824j:image双体道祖神塔。文化財指定を受けています。

刻銘「寛延二己巳歳十二月廿八日(1749) / 大曲村施主子供(共)中」

 

f:id:nagatorowo2:20230807111803j:image標柱「板倉町指定重要文化財 双体道祖神
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解説板 板倉町指定重要文化財
双体道祖神
昭和六十一年十二月六日 指定
銘文 寛延二年(一七四九)十二月二十八日
大曲村施主 子供中
 平野部での双体道祖神は特に限られており、邑楽・館林地区では他に二カ所確認されているだけです。この双体道祖神は男性が猿田彦尊(さるたひこのみこと)女性は天細女尊(あまの
うずめのみこと)をあらわしています。
 像は、男女が銚子と盃を手にしています。こうした祝言像は享保(一七一六〜一七三六)年代頃から見られるようになりました。
道祖神は旅の神、道の神といわれ、村の入口や峠などに多く、境を守る神、悪魔を追い払う神ともいわれています。また、「サエノカミ、サイノカミ」ともいわれています。
 年紀の他、子供中と銘が入っていますが、小正月に子供たちが道祖神のある所で、ドンド焼をする事例があるように子供の神といわれていることから、子供たちの健やかな成長を願って
建立されたものと思われます。
平成十年十二月
板倉町教育委員会


f:id:nagatorowo2:20230805175237j:image延文二年銘板碑(1357)

 

f:id:nagatorowo2:20230805175241j:image康安元年銘板碑?(1361?)


f:id:nagatorowo2:20230805175245j:image紀年銘不詳板碑


f:id:nagatorowo2:20230805175214j:image十王十仏板碑。文化財指定を受けています。

刻銘「嘉暦元年十月逆修(1326)」

標柱「板倉町指定重要文化財 十王十仏板碑」

解説板 板倉町指定重要文化財
十王十仏板碑
昭和六十一年十二月六日 指定
銘文 嘉暦元年(一三二六)十月逆修
 この板碑は、もとは大曲の旧堀口与右衛門屋敷跡にありました。
 板碑は緑泥片岩といわれる青石が使われています。その造立の趣旨の多くは追善供養ですが、この十王十仏板碑のように生前において自己の冥福を祈り、死後は浄土へ住めるよう祈念するための逆修塔に大別できます。十王十仏板碑で、鎌倉期の作例は県内でも珍しく特に銘文中「逆修」銘がある例はほとんどありません。
 蓮台の上に不動、観音、薬師、大日、地蔵、釈迦、阿弥陀文殊、勢至、普賢の十仏の各種子(キリーク)が刻まれています。
 十王とは奏広王、初江王宋帝王などをいいますが、十王庁に住み、亡者は七十七日の毎七日、百カ日、一周忌、三回忌に順次十王庁で生前に犯した罪の裁きを受けるといわれています。
当時の庶民仏教思想を知る上でも貴重な資料です。
平成十年十二月
板倉町教育委員会


f:id:nagatorowo2:20230805175248j:image光明真言百万遍供養塔 その1

刻銘「寛政四壬子天十一月吉祥日(1792) / 天下泰平□〜□ / 願主□〜□ / 奉讀誦光明真言百万遍供□〜□」

 

f:id:nagatorowo2:20230806160749j:image光明真言供養塔 その2。単体の写真を撮り忘れました。

刻銘「天保九戊戌歳正月吉日(1838) / 大曲村講中

 

浄蓮院の所在地