石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

青面金剛像庚申塔(渋谷区千駄ヶ谷1丁目・庚申塚)

東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目の庚申塚(探訪日:2023年7月25日)

f:id:nagatorowo2:20230728224854j:image真っ赤な幟と立派な堂宇が目立ちます。
f:id:nagatorowo2:20230728224858j:image
f:id:nagatorowo2:20230728224901j:image屋根の上には桃を腹前に据えた合掌猿が施されています。まさしく庚申塚。
f:id:nagatorowo2:20230728224851j:image
f:id:nagatorowo2:20230728224905j:imageたくさんの草鞋が吊るされています。
f:id:nagatorowo2:20230728224838j:imageほとんどが令和5年4月29日に奉納されたもののようです。都市部にあってここまで信仰が続いているのは珍しいと思います。


f:id:nagatorowo2:20230728224844j:image青面金剛庚申塔 刻銘「享保八癸卯歳四月十一日(1723) / 庚申講」


f:id:nagatorowo2:20230728224847j:image由来板もありました。

由来板 庚申の由緒

享保八癸卯歳四月十一日 建之

 えとの庚申に当る日を重んじ 身を慎しんでこの日を過す信仰

 中国の道教には六十年或は六十日毎にめぐってくる庚申の夜には三尸(さんし)の虫が睡眠中の人体からぬけ出て昇天するという信仰があった

 この虫が天帝にその人の罪過を報告すると人は命を奪われるからこの夜は眠らないで善を行い 身を慎しまねばならないとした

 これが中世以後の日本にも受入れられ 現在でも庚申講として広く行われている

 この庚申塔享保八年(西暦一七二三)の庚申の日に建てられたもので 庚申を「かのえさる」と呼ぶことから猿の信仰とも結びつき 更に猿田彦天孫降臨の道案内をつとめた神)との連想から道を守る道祖神とも習合している

 この庚申供養塔は 庚申信仰の民間に根を下すようになった室町末期頃から建てられるようになり 江戸時代に入って非常に盛んになった

 この塔の尊像としては 青面金剛が最も多く そして日月二鶏三猿 庚申の文字や猿の像などを配するものが多い 又型状としては駒型 舟型 角柱型 角丸型など各種がある

 渋谷地区も古くから庚申信仰が盛んで その塔が多く存在したであろうことが推察されるのである

 この庚申塔は道路新造等により片付けられていたのを町内有志たちの手によって修理復現されたものである

 昭和五十八年十二月吉日 鳩森八幡神社

 交通安全守護 祈願家内安全 商売繁昌

 

f:id:nagatorowo2:20230728224841j:image奉納された草鞋についても解説されていました。

解説板  草鞋奉納

 ここに大勢の方が草履を奉納されておりますが、これは草履を奉納して、足、腰が悪い方が、早く快方しますようにと、又、足、腰が何時までも丈夫でありますようにとの願いで、奉納して頂いております。

 草履の奉納をご希望の方は左記までご連絡ください。

 又は、お店にお越しください。

 (店名1)

 (店名2)

 壱足 弐千円

私も次の訪問時には奉納してみたいと思います。

庚申塚の所在地