青森県つがる市木造平滝字宝滝の共同墓地(訪問日:2023年9月15日)共同墓地の入り口、地蔵堂のそばに1基の石塔が建っています。赤痢病歿者供養塔
刻銘「明治三十四年旧六月廿四日(1901) / 両(?)寄付 安田唯二郎 / 信者 安田左太郎(以下人名略) / 為赤痢病歿者供羪之塔」
津軽地方においては飢饉に端を発する餓死者あるいは疫病での没者を供養するため建てられた石塔、すなわち飢饉供養塔(元禄、天明、天保)や拝めば皮膚病に効験のあるオコリ石、疱瘡神塔など、疾病にまつわる石造物は種々確認されています。
しかし、今回のような近代以降の造立がはっきりしている石造物で、疾病関連の供養塔は群を抜いて珍しく、また「赤痢」という病名を確かに刻みつけるものはとりわけ珍しいと言えるでしょう。さらに「信者」銘が見られることも興味深い点です。
共同墓地の所在地