石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

脱衣婆像と閻魔大王像ほか(新宿区須賀町・勝興寺)

東京都新宿区須賀町の法輪山勝興寺(探訪日:2023年7月25日)

f:id:nagatorowo2:20230727035356j:imageアニメーション映画「君の名は。」で知られる須賀神社の近くにある曹洞宗寺院です。
f:id:nagatorowo2:20230727035359j:image丸彫地蔵菩薩立像塔。錫杖部がやや欠けています。通称「首の繋がる地蔵」。由来は以下の通り。

参道右手に正面を向いた「首の」落ちなかったためそう言われる「首の繋がる地蔵」があります。東日本大震災の際にお地蔵さんの首が落ちそうになりましたが、ギリギリ落ちなかっためそう言われるようになりました。(勝興寺HP境内散策|曹洞宗 法輪山 勝興寺 (shoukouji.biz)より)


f:id:nagatorowo2:20230727035403j:image丸彫聖観音立像塔。完存に近い素晴らしい状態です。しかし上掲のHPでは地蔵と呼ばれています。
f:id:nagatorowo2:20230727035406j:image聖観音のそばには小さめの堂宇があります。
f:id:nagatorowo2:20230727035417j:image中には丸彫の脱衣婆(味噌なめ婆、正塚婆ともいう)の石像が祀られています。ここでは「乳母様」と呼ばれているそうです。

参道右手奥に、「乳母様」が居ります。子供を育てる神様と言われる中で、逆に子供を連れて行ってしまう神様とも言われており、そのため昔は一生懸命にお祈りをし、子供がお利口さんになるよう祈ったと言われています。


f:id:nagatorowo2:20230727035429j:imageこちらもほぼ完存で、生気さえ感じ取れます。
f:id:nagatorowo2:20230727035410j:image少し移動し、墓地に入ってすぐ左手に如意輪観音像の墓塔と閻魔王像が安置されています。
f:id:nagatorowo2:20230727035413j:image女性の個人墓。保存状態の良さもさることながら、そもそもの造形が素晴らしいです。

刻銘「旹寛文七丁未暦十月朔日(1667) / 爲了(?)室妙悟大姉菩提」
f:id:nagatorowo2:20230727035426j:image丸彫の閻魔大王坐像塔。先の写真を見て分かる通り、像高は墓塔の半分のほどです。こちらは紀年銘などの刻銘は確認できませんでしたが、十王信仰により造立されたものでしょうか。

基本的には脱衣婆像と閻魔大王像はセットで存在します。都内では数少ない石仏に分類されるので、予期せぬところで拝めて嬉しかったです。

ちなみに、当寺からほど近い場所の東福院というお寺にも奪衣婆と思しき石仏があります。

nagatorowo2.hatenablog.com

 

勝興寺の地図