石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

宝城院の庚申塔と出羽三山塔(浦安市堀江4丁目・宝城院)

千葉県浦安市堀江4丁目の宝城院(訪問日:2024年3月16日)f:id:nagatorowo2:20240405032053j:image浦安三社の一つに数えられる清瀧神社の南方に位置する寺院です。f:id:nagatorowo2:20240405032057j:image正門の裏側右手に木造の堂宇が建てられています。そばには解説板が設けられていました。
f:id:nagatorowo2:20240405032049j:image

解説板 千葉県指定有形文化財
宝城院の庚申塔
 この塔は、元文元年(一七三六)十二月、宝城院住職の賢宥法印によって、建立されました。
 庚申信仰は、道教(古代中国で成立した不老長生や現世利益を主な目的とした宗教)の三尸説や日待(近隣の仲間が特定の日に集まって、夜明かしする行事)などが習合した信仰です。三尸説とは、干支の庚申にあたる日の夜に、人の体内にいる三尸の虫が抜け出し、天の神にその人がしてきた罪を告げ、これを聞いた天の神がその分だけその人の命を削りとって早死にさせてしまうという信仰です。信者はこれをさけるため、夜を寝ずに会食し、話をしながら過ごしました。
 塔の表面中央に、邪鬼を踏みつけておさえている青面金剛菩薩、その下に庚申の干支にちなんだ「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿、青面金剛の左右の二人の童子と雌雄の鶏、さらに下段には四体の夜叉が見事に彫刻されています。
 これほど破損の少ない庚申塔は珍しく、貴重なものであることから、昭和四十四年(一九六九)に千葉県有形文化財に指定されました。
平成二十一年三月
浦安市教育委員会


f:id:nagatorowo2:20240405032101j:image堂の正面上部には「千葉県指定文化財 庚申塔」と墨書された額が掲げられています。f:id:nagatorowo2:20240405032125j:image中には先ほどの庚申塔のほかに出羽三山塔も納められています。
f:id:nagatorowo2:20240405032109j:image青面金剛庚申塔


f:id:nagatorowo2:20240405032728j:image

f:id:nagatorowo2:20240405032731j:image

刻銘「元文元年十二月(1736)(銘文未確認) / 世話人 長野庄右エ門(以下人名略) / 高津新兵衛(以下人名略)」f:id:nagatorowo2:20240405032121j:image御尊容(立像、一面八臂、合掌・ショケラ型、駒型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、戟、矢、蛇(宝棒?)、弓、羂索)f:id:nagatorowo2:20240405032117j:image童子像と二鶏像f:id:nagatorowo2:20240405032113j:image三猿像と四夜叉像


f:id:nagatorowo2:20240405032105j:image出羽三山塔(角柱型)

刻銘「(紀年銘不詳)(未確認) / 願主中 / 月山 湯殿山 羽黒供羪塔 / 種子〈アーンク・キリーク・サ〉」

宝城院の所在地