石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

庚申塔3基(荒川区南千住6丁目・素盞雄神社)

東京都荒川区南千住6丁目の素盞雄神社(探訪日:2023年8月17日)

f:id:nagatorowo2:20230818141134j:image
f:id:nagatorowo2:20230818141131j:image社殿は改修工事中でした。


f:id:nagatorowo2:20230818141148j:image境内の隅、富士塚の正面に庚申塔群があります。

いずれも荒川区の有形民俗文化財に指定されています。

f:id:nagatorowo2:20230818141224j:image解説板が設けられていました。

解説板 荒川区指定有形民俗文化財
庚申塔群三基(寛文十三年銘他)
素盞雄神社
 江戸時代に建てられた3基の庚申塔で、向かって左から、延宝6年(1678)銘、寛文13年(1673)銘、文化8年(1811)銘があります。
 庚申塔とは、60日に一度めぐってくる庚申の日に、寝ずに夜を明かす行事「庚申待」を3年間継続した所願成就の証しとして建てられたものです。
 中央の寛文13年銘の庚申塔は、聖観音が本尊です。聖観音の光背には「庚申講供養」と「念仏講供養」の文字が刻まれ、庚申信仰阿弥陀信仰の習合が見られます。左の延宝6年銘の庚申塔は、如意輪観音が本尊です。月待信仰に関する勢至菩薩の種子が刻まれていて、庚申信仰と月待信仰との習合がうかがえます。施主として久兵衛、おとらなど男女15人の名が見えます。文化8年銘の庚申塔には「青面金剛」の文字が刻まれています。
 寛文13年銘と延宝6年銘の庚中塔は、造形上も優れており、他の信仰との習合も見られ、また3基の庚申塔から近世の庚申塔の変遷がうかがえ、学術的にも貴重なものであるといえます。
(平成18年1月13日指定)
平成20年3月 荒川区教育委員会
【問合せ】荒川ふるさと文化館03-3807-9234


f:id:nagatorowo2:20230818141138j:image正面向かって左から紹介します。


f:id:nagatorowo2:20230818141151j:image如意輪観音庚申塔。主尊に如意輪観音を据えるのは非常に珍しい例です。

刻銘「延宝六年十月十七日(1678) / 種子〈サク〉」
f:id:nagatorowo2:20230818141154j:image像容


f:id:nagatorowo2:20230818141141j:image聖観音庚申塔。都内ではしばしば見られる聖観音が主尊の庚申塔です。

刻銘「寛文十三天二月八日(1673) / 念佛講供養庚申講供養 / 欣誉上人 / 種子〈サ〉」
f:id:nagatorowo2:20230818141144j:image御尊容


f:id:nagatorowo2:20230818141158j:image青面金剛

刻銘「文化八辛未年六月吉日(1811)」

素盞雄神社の所在地