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観音寺の聖観音立像庚申塔(足立区綾瀬4丁目)東京23区の庚申塔 #378

東京都足立区綾瀬4丁目9-6の観音寺(訪問日:2025年2月16日)f:id:nagatorowo2:20250216205552j:image本堂前、墓地入り口に3基の石仏が並んでいます。そのうちの2基が庚申塔で中央の聖観音主尊の庚申塔は区の文化財に指定されています。
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解説板 聖観音立像庚申塔(しょうかんのんりゅうぞうこうしんとう)
 庚申塔庚申信仰をする庚申講の人々によって造立された塔である。
庚申とは十干の庚と十二支の申とが結び付いた六十日に一回巡ってくる日のことを指す。
 庚申の日は、人間の体内にいる三尸(さんし)という虫が睡眠中に体内から抜け出て天帝に罪過を告げるため人間の寿命が縮むという説が中国の道教にあり、これが日本に伝わり信仰された。庚申の夜には眠らずに過ごす守庚申(まもりこうしん)に、礼拝本尊や宗教儀礼が組み込まれた庚申待が室町時代の中頃から行われるようになり、江戸時代に入ると一般にも浸透し各地に庚申講が結成され、供養のための庚申塔が多数造立されるようになった。庚申塔の形態・様式は多様であり、文字塔の他、「青面金剛」・「帝釈天」など種々の神仏を主尊とする。
 聖観音は正式には聖観世音菩魔といい、すべての観音のみなもととして、古くから深く信仰されている。像型は光背型で、像の左右に「寛文四庚辰年(一六六四)極月十五日」・「奉造立庚申供養二世安穏所也」、下部に施主名がある。区内にある江戸期の庚申塔の初期のものにあたるが、様相の整った極めて見事な刻像である。
 昭和六十二年(一九八七)十一月、足立区登録有形民俗文化財とした。
令和元年十二月
東京都足立区教育委員会


f:id:nagatorowo2:20250216205531j:image右手の聖観音庚申から掲載します。
f:id:nagatorowo2:20250216205527j:image聖観音菩薩像庚申塔

刻銘「寛文四甲辰年極月十五日(1664) / 道運(ほか19名略) / 奉造立庚申供養二世安穏所也 / 種子〈ア〉」
f:id:nagatorowo2:20250216205604j:image御尊容(立像、舟形光背型)、彫像(未敷蓮華)


f:id:nagatorowo2:20250216205540j:image青面金剛庚申塔


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刻銘「寛政十戊年十一月吉日(1798) / 庚申講中廿五人」
f:id:nagatorowo2:20250216205535j:image御尊容(立像、一面六臂、駒型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、宝剣、ショケラ、金剛杵、矢、宝輪、弓)
f:id:nagatorowo2:20250216205559j:image一邪鬼像と三猿像

観音寺の所在地