石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

しばり地蔵尊(品川区南品川2丁目・願行寺)

東京都品川区南品川2丁目の願行寺(訪問日:2023年8月22日)f:id:nagatorowo2:20231215025332j:image境内の隅に立派な瓦葺きの屋根の構造物が建っています。
f:id:nagatorowo2:20231215025336j:imageなにやら石仏が祀られているようです。
f:id:nagatorowo2:20231215025339j:image由来板もありました。

由来板 しばり地蔵尊
 この地蔵尊は承応元年(一六五二年)に造立されたと伝わる。
 大井村の土佐山(現在の東大井・鮫洲駅近辺)に下屋敷があった松平土佐守・山内家の奥方から代々帰依をうけた地蔵尊である。
 『新編武蔵風土記』巻五四の「願行寺」の項には、「里人しばり地蔵という。病を祈るもの縄にてしばれば験あり 十夜に至て和尚縄を解く、其後又しばり初むと云」とある。地蔵尊は我が身を縛られることで病や災難に苦しむ者の身代わりとなり、その苦しみを引受けて下さるのである。
 いつの頃からか、お首を一つそっと持ち帰り毎日お祈りをして願が叶ったらお首を二つにしてお返しするなどの願の掛け方も行われるようになった。心からその慈悲にすがる人々には霊験あらたかであった数々の話が伝わる。願行寺


f:id:nagatorowo2:20231215025346j:imageこちらは自由にお参りできます。
f:id:nagatorowo2:20231215025400j:imageしばり地蔵尊。しばり〇〇(しばられ〇〇)の信仰は各地にあります。
f:id:nagatorowo2:20231215025404j:image御尊容。約400年ほど前の造立にしては像容の残存具合はかなり良好に思えます。由来にあるように、お首だけ新しいものに交換してるのかもしれません。
f:id:nagatorowo2:20231215025407j:image縄で縛られた身体
f:id:nagatorowo2:20231215025357j:image像の左右にはお地蔵さんのお首が並んでいます。
f:id:nagatorowo2:20231215025354j:imageお首を持ち帰り、お祈りをして願いが成就したお礼にお首を倍の数にして返す、そんな信仰が今でも続いている証でしょうか。

願行寺の所在地