青森県黒石市温湯字鶴泉の薬師寺(訪問日:2023年9月12日)薬師寺の駐車場側の境内に石塔があります。そばには標柱が設けられており、「黒石市指定民俗文化財 薬師寺の石敢當碑 昭和五十一年一〇月指定 黒石市教育委員会」と記されています。
石敢当は沖縄県やその周辺に多く点在する、道祖神のような役割を持つ石造物です。本州にもまばらに点在しますが、東北ではその数は少なく、特に津軽地方においては非常に珍しいものです。
以下は市指定民俗文化財 - 黒石市より抜粋(2024年7月25日閲覧)。
所在地 黒石市大字温湯字鶴泉
指定年月日 昭和59年10月12日
所有者 薬師寺
薬師寺の石敢當碑
薬師寺の境内入口手前に「石敢當(せきかんとう)」と記された石碑が建てられている。石敢當とは中国発祥の魔よけの石碑のことで、主に道路の突き当たりや橋のたもと、家の門口などに建立されており、日本では沖縄県や鹿児島でかなりの数が建立されている。関東以北では建立数が少なく、青森県では4基しか確認されていない。
薬師寺の石敢當は、文政6年(1823)に弘前藩の表医師である三上隆圭が、慈雲院の境内(弘前市新寺町・現弘前高等学校)に建立したものである。その後、慈雲院が廃寺になった際、同じ黄檗宗である薬師寺に移転され今日に至っている。
県内では、黒石市に1基、弘前市に1基、平川市に2基が確認されているが、出所が明らかなのは、薬師寺の石敢當のみで貴重である。
境内の当寺縁起を記した解説板にも一部解説があります。
自然石型
薬師寺の所在地