石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

相原郷庚申堂 庚申霊場めぐり #2

愛知県名古屋市緑区相原郷1丁目の相原郷庚申堂(訪問日:2024年8月9日)f:id:nagatorowo2:20240819181104j:image相原郷交差点から諏訪社方面に約200メートル進んだ先、1本小道にそれたところに堂宇が建っています。背後にはサルスベリの木が植えられています。

となりには「菊」という喫茶店もあります。
f:id:nagatorowo2:20240819181055j:imageこちらのお堂は「相原郷庚申堂」と称し、名古屋市内ではあまり数の多くない、庚申信仰に関係した祭祀場です。
堂の正面には当堂についての解説・由緒書が掲げられています。f:id:nagatorowo2:20240819181046j:image

由緒書 相原郷庚申堂の由来
 庚申堂の本尊は、「一猿石像」が祀られています。慶長13年(1608年)の『鳴海村検地帳』には、相原村端(現在の相原郷交差点南東付近)に「石神戸」と記され、以前から石神様を信仰していたことが伺えられます。
 時代の推移とともに村端は広がり、天保12年(1841年)相原村組頭福嶋富蔵らによって現在の場所に祀られました。
 明治38年(1905年)に鳴海町の中島辰造様のご厚意を受け、相原郷の有志らによってお堂が建てられました。
 その後伊勢湾台風(昭和34年)により傷んだ屋根が拭き替えられ今日に至っています。
 現在は、庚申命日(庚申:かのえさる)に庚申堂保存会が中心となり、お経をあげ心の安寧を願い、地域文化継承に努めています。
相原郷庚申堂保存会


f:id:nagatorowo2:20240819181101j:image庚申命日(=庚申の日)についても掲示があります。

庚申命日 庚申命日
令和6年(2024年)
令和6年2月26日 月曜日
令和6年4月26日 金曜日
令和6年6月25日 火曜日
令和6年8月24日 土曜日
令和6年10月23日 水曜日
令和6年12月22日 日曜日
※お参りは、前日の21日(土)に行います。
庚申堂のお参りは、毎回午前8時から行います。
参加は自由です。皆さんのお越しをお待ち致しております
※鳴海町根古屋にあります「庚申山円道寺」では、庚申命日の午後8時よりお参りが行われます。お参りは約30分間で、その後お茶・お菓子などが振る舞われます。
相原郷庚申堂保存会

ここで円道寺の名前が出るとは思いませんでした。こちらの保存会の中にも円道寺の庚申講に参加されている方がいらっしゃるのかもしれません。

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f:id:nagatorowo2:20240819181048j:image堂の内部。庚申日ではなかったのでご開帳はされていませんでした。本尊である一猿石像とはどういったお姿をされているのか、大変気になります。

私の想像だと、御幣を両手で掴んでいる猿か、合掌した猿なのではないかと思っています。f:id:nagatorowo2:20240819181052j:image堂のそばには手水鉢が置かれています。塵洗(洗塵)。紀年銘は天保十二年丑三月(1841)。先ほどの解説にあった現在地移転の際に奉納されたものようです。f:id:nagatorowo2:20240819181058j:image側面には「奉納庚申堂」の刻字も認められます。

Googleマップには赤い幟の写った写真が投稿されており、それによると「奉納 青面金剛明王 願主相原郷庚申堂保存会」とプリントされています。

赤を基調とした幟、青面金剛明王の表記は円道寺のものと共通しています。

相原郷庚申堂の所在地