山形県飽海郡遊佐町遊佐字下高砂の深山神社(訪問日:2024年9月27日)JR遊佐駅から北東へ約600メートルほど進んだ場所に鎮座する神社です。周辺集落の鎮守社で、深山権現を祀っています。
説明の通り、社号標から鳥居へ向かう参道左手に石仏石塔が並んでいます。今回は墓塔を除いた民間信仰塔のみを順に掲載していきます。
文字庚申塔
刻銘「享和二年五月(1802) / 庚申」
自然石型
刻銘「弘化四未年四月吉辰(1847) / 講中安全 / 信近代 / 岡田村屋川(?)村六日町村」御尊容(立像、一面六臂、宝剣・ショケラ型、自然石龕型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、円形光背、火焔光、三叉戟、矢、宝輪、弓)二邪鬼像と三猿像
二童子像と四夜叉像なんと背後には庚申塔婆(庚申のツカ)が確認できました。秋田県のものと同じく角柱の木材に墨書を施すタイプのようです。墨書内容は「奉請青面金剛童子専祈如意吉祥七庚申祭斎行 令和五年十二月二十八日練上斎行六日町庚申講々中建之」。しっかりと庚申のツカらしく七庚申を記念して建てられています。
ここ山形は遊佐町でも庚申講が存続し、七庚申の祝儀をも継いでいることに本当に驚きです。今後も末永くこの行事が続いていくことを願っています。
丸彫地蔵菩薩立像塔2基。堂内には「六日町部落安全 昭和五十二年四月吉日建之」と刻まれた標石も納められています。
六字名号塔(自然石型)。独特な字体で「南無阿弥陀佛」と刻みます。徳本名号塔でしょうか。念仏供養塔①
刻銘「安政五秊七月日(1858) / 念佛 / 種子〈キリーク〉」
自然石型
念仏供養塔②
刻銘「寛政五丑年七月十六日(1793) / 念佛供養塔」
自然石型
念仏供養塔(夜念仏供養塔)③
刻銘「天保十三年寅三月朔(?)日 / 夜念佛塔」
自然石型
念仏供養塔(夜念仏供養塔)④
刻銘「文政二卯年七月吉日(1819) / 夜念佛塔」
自然石型、彫像(円相)
鳥居をくぐり境内に入ると、社殿の左手前にも民間信仰塔が並んでいます。向かって左から。
出羽三山塔
刻銘「(紀年銘不詳)(未確認) / 月山湯殿山羽黒山 / 種子〈アーンク?〉」※背面に紀年銘などが刻まれていると思われるが草葉により撮影できず。
自然石型
巳待塔(己巳塔)
刻銘「明治八亥年四月吉辰日(1875) / 己巳」
自然石型
鳥海講供養塔
刻銘「昭和十一年九月建之(1936) / 国幣中社大物忌神社宮司源朝臣國秀敬書 / 鳥海山」
自然石型
古峰ヶ原講供養塔
刻銘「□〜□十一月□〜□ / 大谷宇之吉建之 / 白□〜□書 / 村中安全 / 古峯神社」
自然石型
深山神社の所在地