石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

東京都23区の庚申塔 #151(新宿区大久保1丁目・全龍寺)

東京都新宿区大久保1丁目の全龍寺(訪問日:2024年10月8日)f:id:nagatorowo2:20241011194631j:image「大久保ぜんりゅうじ」の看板のある入り口脇、寺号標の背後に石仏のまとめ置かれた空間があり、そこで大きな存在感を放っているのが今回掲載する庚申塔です。

こちらは「全龍寺の庚申塔と称し、新宿区の文化財に指定されています。解説板もありましたのでそちらも載せます。f:id:nagatorowo2:20241011195121j:image

解説板 新宿区登録有形民俗文化財
全龍寺の庚申塔
所在地 新宿区大久保一丁目十六番十五号
登録年月日 平成二十七年二月六日
 寛文十二年(一六七二)に二十八名の施主によって立てられた庚申塔である。形態は舟形で、阿弥陀如来立像を主尊とする。主尊の左右に銘文が刻まれているが、施主の個人名は見られない。水鉢・花立てを造り込んだ台座の最下部に庚申塔の特色である三猿が刻まれている。高さは一七七センチである。
 庚申信仰は江戸時代に流行った民間信仰で、六十日毎の庚申の日は徹夜して人の体内に棲む三尸虫を滅する行を行う。これを十八回(三年間)行うと結願となり、その際に庚申講の人たちにより庚申塔が立てられることが多かった。
区内に四十基余りある庚申塔の中では比較的古い時代に立てられたものであり、唯一の阿弥陀如来像を主尊とする庚申塔である。
平成二十七年三月
新宿区教育委員会


f:id:nagatorowo2:20241011194659j:image阿弥陀如来庚申塔

刻銘「維時寛文拾二壬子歳三月朔日(1672) / 奉供養庚申講結衆廿八人施主各敬白」f:id:nagatorowo2:20241011194643j:image御尊容・像容・彫像(立像、舟形光背型)f:id:nagatorowo2:20241011194650j:image三猿像


f:id:nagatorowo2:20241011194646j:image実は石仏群の中にもう1基庚申塔が紛れ込んでいます。こららは青面金剛を主尊に据えたものですが、おそらく戦火により像容がひどく損傷し、原型を留めていません。
f:id:nagatorowo2:20241011194655j:image青面金剛庚申塔
f:id:nagatorowo2:20241011194634j:image刻銘「享和元辛酉年十□〜□」

御尊容(立像、角柱型(?))


f:id:nagatorowo2:20241011194638j:image石仏群の向かいには江戸初期から中期ごろに建てられたであろう地蔵菩薩像の三界万霊塔のほか、昭和以後の造立と見られる石仏が並んでいます。

全龍寺の所在地