石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

津軽地方の庚申塔 #219(北津軽郡鶴田町胡桃舘・胡桃舘八幡宮)

青森県北津軽郡鶴田町胡桃舘字池田の胡桃館八幡宮(訪問日:2024年9月2日)f:id:nagatorowo2:20240919212204j:image胡桃館集落の鎮守社です。旧社格は村社。訪問時はアメリカシロヒトリの幼虫が境内に溢れていてかなりおぞましい光景でした。f:id:nagatorowo2:20240919212219j:image「奉納八幡宮」扁額f:id:nagatorowo2:20240919212121j:imageここは鳥居に鬼コを飾っていることでも有名です。f:id:nagatorowo2:20240919212208j:image筋骨隆々のまさしく鬼らしい鬼コ。着色はなく、木彫りのままのお姿。三角筋僧帽筋上腕二頭筋の発達具合が素晴らしいです。
f:id:nagatorowo2:20240919212215j:image社殿


f:id:nagatorowo2:20240919213356j:image

f:id:nagatorowo2:20240919213400j:image

狛犬一対。ほっかむりしています。

f:id:nagatorowo2:20240919212148j:image境内の右奥、社殿の背後に石塔群が置かれています。注連縄も巻かれていて、しっかりとお世話をされているようです。

向かって右から掲載します。
f:id:nagatorowo2:20240919212141j:image文字庚申塔①・二十三夜塔①(庚申塔・二十三夜塔併刻塔)

刻銘「昭和二十四己丑年旧三月三日(1949) / 庚申塔二十三夜塔」

自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)


f:id:nagatorowo2:20240919212132j:image文字庚申塔

刻銘「明治三十五年二月廿九日(1902) / 村中 / 庚申塚」

自然石型、彫像(日天月天、瑞雲、岩木山f:id:nagatorowo2:20240919212152j:imageこの地域特有の岩木山の線刻像を刻んでいます。

f:id:nagatorowo2:20240919212212j:image文字庚申塔


f:id:nagatorowo2:20240919212156j:image

f:id:nagatorowo2:20240919212124j:image

刻銘「慶應四戊辰年三月十二日(1868) / 胡桃舘村講中 / 庚申塔

山状角柱型、彫像(日天月天、瑞雲)


f:id:nagatorowo2:20240919212200j:image文字庚申塔

刻銘「文政五壬午年八月十五日(1822) / 村中願主中邑某□□彦右衛門太田孫七 / 庚申塔

自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)※月天に彫り直しの跡あり。


f:id:nagatorowo2:20240919212128j:image二十三夜塔②

刻銘「明治三十五年二月廿九日(1902) / 村中 / 両塚發起人工藤宇佐吉(ほか6名略) / 二十三夜塔」

角柱型、彫像(日天月天、瑞雲、岩木山f:id:nagatorowo2:20240919212136j:imageこっちにも岩木山の線刻像。両塚発起人とある通り、②の庚申塚と全く同じ紀年を有しています。恐らく夫婦神として建立されたのだと思われます。

岩木山像はツカ上げ習俗(三夜・庚申のツカ)の雲板の絵柄から着想を得たのではないかと思います。


f:id:nagatorowo2:20240919212223j:image文字庚申塔

刻銘「昭和三十五年七月三十一日(1960) / 庚申塔

自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)


おまけf:id:nagatorowo2:20240919212144j:image御神木

胡桃舘八幡宮の所在地