石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

梵字馬頭観音塔と敷石供養塔(蕨市北町3丁目・三学院)

埼玉県蕨市北町3丁目の三学院(訪問日:2024年2月2日)f:id:nagatorowo2:20240305163329j:image三学院の参道と総門f:id:nagatorowo2:20240305163333j:image寺号標の手前に石塔が2基置かれています。向かって左のものは文化財指定を受けているようで、解説板が設けられていました。f:id:nagatorowo2:20240305163325j:image

解説板 蕨市指定文化財(昭和六一年四月指定)
三学院梵字馬頭観音
 馬頭観音は、頭上に馬を戴き、憤怒の形相をした菩薩で、奈良時代に伝来したとされています。
 江戸時代になると、農耕や交通で馬を使う人々の間に信仰が広まり、馬に対する供養や無病息災の祈願をこめて、馬頭観音像が造立されるようになりました。
 この馬頭観音塔は、高さ一五六・五cm、安山岩製の石塔で、寬政一二年(一八〇〇)に造立されました。
 塔の正面に、馬頭観音像や文字を彫ったものが多くみられますが、この馬頭観音塔は、梵字で「南無馬頭観音」と真言が刻まれており、珍しく貴重なものです。
 右側面には「当所 馬持講中」とあり、蕨宿で使われる馬の安全を願って造立されたものと思われ、基礎部分には、生き生きとした馬の姿が線刻されています。
 また左側面には「足立坂東 第二拾番 三学院」とあり、三学院が足立坂東三十三箇所札所巡りの札所であることを示しています。
平成三十年一月
蕨市教育委員会

 

f:id:nagatorowo2:20240305163336j:image梵字馬頭観音


f:id:nagatorowo2:20240305164528j:image

f:id:nagatorowo2:20240305164531j:image

f:id:nagatorowo2:20240305164534j:image

刻銘「寛政十二庚申星二月吉祥日(1800) / 當所馬持講中 / 世話人 小宮忠太郎(以下人名略) / 足立坂東 第二拾番 三學院 / 種子〈ナ・ム・ハ・ヤ・グリー・ヴァ〉」f:id:nagatorowo2:20240305170255j:image塔身正面には梵字で大きく「南無馬頭観音(ナムハヤグリーヴァ)」と刻みます。f:id:nagatorowo2:20240305170251j:image台石の馬像


f:id:nagatorowo2:20240305163322j:image敷石供養塔


f:id:nagatorowo2:20240305170358j:image

f:id:nagatorowo2:20240305170402j:image

f:id:nagatorowo2:20240305170405j:image

刻銘「文久三癸亥年九月吉祥日(1863) / 蕨宿中 / 三學院法印宥傳建焉 勧發者 富澤甚兵衛 / 鋪石供養塔 / 種子〈キャ〉」

三学院の所在地