杉館集落の東口、手入れの行き届いた低木に囲まれた、庚申塔専用の区画があります。ここには自然石型庚申塔と青面金剛像庚申塔が1基ずつ安置されています。
前者について、『続平賀町史跡文化財めぐり』は次のように記しています。
かなり立派な自然石で、土台をコンクリートで固めているが、それに「此石長田村ヨリ貰…」とも書かれているから、長田村からの貰い石であろう。この石碑について、杉館の工藤家六代萬太郎の手記に「天保三壬辰年(中略)同年極不作庚申塔立建尤村中ニ而」と書き遺されている。
天保三年は極めて不作であったため庚申塔を建てたという内容の手記が残されているのは興味深いです。既にこの頃には津軽地方には庚申=作神の図式は浸透していたことがこれで分かります。
文字庚申塔
刻銘「天保三壬辰年三月十三日(1832) / 杉舘村中 / 庚申塔」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
刻銘「(銘不詳)」
御尊容(立像、一面六臂、笠付角柱型)、その他像容・彫像(宝剣、ショケラ、戟、宝輪)
所在地




