石仏石神を求めて

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上ノ台の庚申塔(世田谷区成城9丁目・庚申堂)東京23区の庚申塔 #222

東京都世田谷区成城9丁目の庚申堂(訪問日:令和3年11月3日)

f:id:nagatorowo2:20250121013948j:image成城学園前駅から成城六軒通りを北上していくと左手にセブン-イレブン 世田谷成城8丁目店があり、その斜向かいにお堂が建立されています。

中には青面金剛聖観音の像塔が祀られています。

ここは『喜多見 : 世田谷区民俗調査第3次報告』曰く、「上ノ台の庚申塔(上ノ台の庚申)」といい、喜多見の七庚申のひとつに数えられます。また、庚申講は成城や喜多見に現存していませんが、ここ上の台の榛名講の講員の家では庚申の日に集まりを催してご馳走を作り、雑談に花を咲かせつつ徹宵を行っていたそうです。


f:id:nagatorowo2:20250121013955j:image青面金剛庚申塔

f:id:nagatorowo2:20250121014023j:image刻銘「寛政四壬子年十一月吉日(1792) / 武刕多摩郡世田ヶ谷領喜多見村宮川由右衛門」

御尊容(立像、合掌一面六臂、駒型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、蛇、三叉戟、矢、宝輪、弓、一邪鬼、三猿)


f:id:nagatorowo2:20250121013952j:image聖観音菩薩塔。為先祖代々両親菩提とあり、先の庚申塔と同じ願主銘と紀年銘を有します。

ちなみにこれら石仏建立を発願した宮川氏は上ノ台地域の草分けだったそうです。

 

f:id:nagatorowo2:20251014181722j:image令和7年10月13日に再訪したところ、同年5月に解説板が新たに設置されていたことが分かりました。この庚申塔を管理されている宮川氏や有志の方々による設置と思われます。

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解説板 成城の庚申塔
 この庚申塔は、宮川太郎兵衛の隠居所に住んでいた2代目宮川由右衛門によって、寛政4年(1792年)11月に建立されました。成城に現存する唯一の庚申塔であり、青面金剛像が刻まれています。
 庚申塔の由来は、平安時代初期に広まった庚申信仰に基づいています。この信仰では、「人は豊かに長生きしたい」と願う一方で、「人の体内には、三尸の虫が住んでおり、庚申の夜に眠っている間に天に昇り、天帝にその人の悪事を告げることで寿命を縮める」と考えられていました。そのため、庚申の日には人々が集まり、夜通し楽しく過ごすことで三尸の虫が天に昇る機会を与えないようにする風習が生まれました。
 この庚申塔は、そうした信仰の名残を今に伝える貴重な歴史遺産です。
 石塔に刻まれている青面金剛は、邪気や悪病を払う、除災無病、厄災を避けるご利益が有ると言い伝えられています。
今和七年五月吉日

成城に現存する唯一の庚申塔とありますが、住所の上では成城9丁目の祖師谷観世音堂にも庚申塔が遺存しています。ただ、観世音堂の庚申塔は近傍から集められた石仏と由来を一にするため、その点では上ノ台地区に建立時からあると思われる「成城の庚申塔」が成城唯一の庚申塔と呼んで差し支えないと思われます。

 

庚申堂の所在地