石仏石神を求めて

おもに石仏・石神などの石造物を探訪

福島県の庚申塔 #1(伊達郡国見町鳥取・深山神社)

福島県伊達郡国見町鳥取字深山の深山神社(訪問日:2024年9月24日)f:id:nagatorowo2:20241012122655j:image県道46号線沿い、羽州街道の小坂宿に向かう途中に鎮座しています。f:id:nagatorowo2:20241012122642j:image「深山神社」扁額
f:id:nagatorowo2:20241012122713j:image境内には榧と藤の大木が自生しており、町の天然記念物に指定されています。
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解説板 町指定天然記念物 深山神社の大榧大藤
指定年月日 昭和四十九年三月一日
深山神社の奥にある大きな榧の木に、うねるように巻きついた藤。
この大榧は齢推定五〇〇年以上。大藤とともに町の天然記念物及び福島県緑の文化財に指定されている。
明治のはじめに書かれた「信達二郡村誌」には「この深山神社には古びた榧の木が七株ほどあり、なかでも拝殿の南側の榧の木は幹囲り三・八メートル、枝の張り出は南へ十四メートルの大きな木である。その下には見事な大藤が、角のない竜とその子竜たちが巻きつくように地を這い、大榧の幹にからまりながら梢に達し、垂れ下がっている。そのほかにも藤の根がはびこり、もつれあいながら七本の榧の木一面を覆っている。」とあり、壮観さが描かれている。
藤の花の見頃は四月下旬から五月上旬頃。花咲く初夏、大榧の新緑と大藤の花の饗宴は、いにしえからこの地を行きかう人達、この地に暮らす人々の目を楽しませてきたに違いない。
今もたくさんの人に愛される深山神社の大榧と大藤。移り変わる時を静かに見守っている。
菊池利雄氏「ふるさとの文化財」より一部抜粋
令和四年三月 国見町歴史まちづくりフォーラム


f:id:nagatorowo2:20241012122647j:imageそんな樹勢著しい境内には複数の民間信仰塔が安置されています。恐らく近傍の村々より集められたものと考えられます。

順に掲載していきます。

f:id:nagatorowo2:20241012122630j:image文字庚申塔

刻銘「享保十四己酉年九月吉祥日(1729) / 施主 / 庚申供羪石碑」

自然石型


f:id:nagatorowo2:20241012122638j:image文字庚申塔

刻銘「明和六丑年九月吉日(1769) / 講中七人(?) / 庚申」

自然石型


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刻銘「正徳三癸巳年二月吉日(1713) / 奉納庚申」

自然石型、彫像(日天月天)


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刻銘「天保十二辛丑年十一月庚申日(1841) / 庚申塔

山状角柱型

 

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刻銘「□政九年□月□〜□ / 庚申」

自然石型


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刻銘「正徳六丙申二月吉日(1716) / 施主欽合(?)瓜(?)六人 / 庚申石牌」

自然石型、彫像(日天月天)


f:id:nagatorowo2:20241012122625j:image経典供養塔

刻銘「宝永六己丑年三月八廿旦(1709) / 書写性講本明之 / 大乗妙典壹部」※廿は追刻か。

自然石型


f:id:nagatorowo2:20241012122704j:image弁才天

刻銘「享和貮壬戌歳十一月終會日(1802) / 辨天」

自然石型

深山神社の所在地