青森県弘前市百沢字東岩木山の岩木山桜林公園(訪問日:2023年9月13日)
岩木山神社の神苑。春になると地元弘前をはじめ、県内から花見をしに多くの人が訪れる有名な桜スポットだそうです。訪問は夏の終わりごろでしたので、当然桜は一輪も咲いていませんでした。
公園の入り口の看板には「津軽国定公園 岩木山 神苑桜ヶ丘」とあります。
その近くには公園の説明を付した看板があり、「幸福の石碑」なるものがある旨記されています。
上掲の解説板の通り、公園の中央部には杉の密集したエリアがあります。その中に紛れて件の「幸福の石碑」が置かれています。幸福の石碑といいますが、これは岩木山周辺地域、主に鰺ヶ沢町に分布を見せる「幸神」銘の庚申塔です。
文字庚申塔(幸神塔)
刻銘「文政九丙戌四月(1826) / 願主安倍仲□〜□佐藤和□〜□ / 奉勧請幸神」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
これは明治初期に建立したものと先の解説にありましたが、造立年はそれより半世紀近く前の文政年間です。恐らく、ここでいう建立とは「安置」という意味で使われているものと推量します。
幸神とは猿田彦大神の異称であるにも関わらず、そのことや庚申信仰を知らない人が字面だけで「幸せの神さま」としてここに運び込んだのでしょう。
あと、資料には岩木山の百沢口、すなわちこの場所から岩木山奧宮への参詣道の入り口に、「賽神建石」なる石神があると記されていました。
その石の祭神は八衢彦神と八衢姫神。ここから登山する民衆はまずこれを拝んで上下安全を祈るとのこと。
賽神(サイノカミ)という表記ですが、上の庚申塔も同じ読みである幸神を主銘としていることから、賽神建石とは本庚申塔のことを言っているのかもしれません。ほかに紀年などの情報があれば良いのですが、あいにくそれらは記載されていません。
そばには信楽焼のタヌキに似た石造の狸像がありました。杉に寄りかかっています。なぜここにあるのかは不明。
岩木山桜林公園の所在地