石仏石神を求めて

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川島の庚申さん(吉野川市川島町川島・猿田彦社)徳島県の庚申塔 #38

徳島県吉野川市川島町川島字前田の猿田彦社(訪問日:2024年8月11日)f:id:nagatorowo2:20241126135824j:image国道192号線から阿波川島駅へ通じる旧道沿い(通称アミダ道)に、専用の区画を設けられた小社が鎮座しています。

地元の方から「北向き庚申」と呼ばれているお宮で、実際に北面しています。通常では南面あるいは東面するのが普通ですが、その逆をいくために普通の庚申さまより霊験著しいそうです。

願えば何でも叶えてくれるとのこと。霊験あらたかが極まっており素晴らしいです。

f:id:nagatorowo2:20241126135821j:image猿田彦社」扁額
f:id:nagatorowo2:20241126135701j:image社殿にあたる建物(昭和41年竣工)には赤い神前幕が垂れています。紙垂付きの注連縄もセットで掲げてあります。

見た感じ賽銭箱も新しめ。
f:id:nagatorowo2:20241126135835j:image神前幕の上部には「交通安全 猿田彦神社 本社伊勢市と記されたステッカー?が貼られています。
f:id:nagatorowo2:20241126135705j:image鞘堂内には様々な種類の奉納品とともに厳しい顔つきの庚申様がお祀りされています。

そのお身体は朱塗りが施されており、天狗と呼ぶに相応しい出立ちです。

吉野川流域には猿田彦大神の丸彫像を主尊とした庚申塔が点在していますが、天狗然としたお姿をされているのはここだけのようです。

本塔は吉野川より来襲する悪魔(水辺から来るとのことで疫病のことか)を祓ってもらうために建てられたそうです。大正初期、近くに鎮座する八幡神社に合祀されたらしいのですが、祈祷師による占いで「元の場所に帰りたい」と告げたとのことで、原位置にあたる現在地に再度勧請を行い懇ろに祭祀したという歴史があります。

f:id:nagatorowo2:20241126135717j:image猿田彦大神庚申塔

刻銘「(銘不詳)」※造像は江戸末期か明治ごろか。
f:id:nagatorowo2:20241126135709j:image御尊容(立像、一面二臂、丸彫型)
f:id:nagatorowo2:20241126135832j:image左手の握り拳には穴が確認でき、もともと何かを持たされていた可能性があります。
f:id:nagatorowo2:20241126135728j:image雄々しい岩盤の上をしっかり踏みしめています。爪先まで真っ赤です。
f:id:nagatorowo2:20241126135657j:image岩盤の脇には首に注連縄を回されたもう一体の庚申様がいらっしゃいます。こちらは由来不明ですが、上の庚申さまに似せて造った像でしょうか。

f:id:nagatorowo2:20241126135828j:image三方には生米と塩、それから瓶子と水玉が乗せられています。正方形の敷紙が下敷きになっています。
f:id:nagatorowo2:20241126135843j:imageツンボ石。目通し石とも呼ばれているもので、耳の病気や眼目の病気を治してくれるよう願い奉納するものです。見通しがつく、という意味で願いごとをする際にも奉納することがあるそう。
f:id:nagatorowo2:20241126135712j:image他にもたくさんのツンボ石があります。人々の願いが叶ったその数の分だけありそうです。
f:id:nagatorowo2:20241126135839j:image三連のくくり猿も吊られていました。
f:id:nagatorowo2:20241126135724j:image奉納絵馬。風化気味ですが猿が描かれているように見えます。

f:id:nagatorowo2:20241126135720j:image陶器製の一猿像。格好からして不聞猿でしょうか。

実に素晴らしい庚申さまでした。我が家でも猿田彦大神を庚申御祖(こうしんのみおや)としてお祀りさせていただいているので、ここまで地元の方々に愛されているのを見ると何だか嬉しくなります。

猿田彦社の所在地