青森県北津軽郡板柳町柏木字片田野の路傍(訪問日:2024年9月2日)
柏木集落の北端あたり、個人宅を背にして複数の民間信仰塔が並んでいます。手前には赤い鳥居も建っています。
いずれの石塔にも紙垂を絡めた注連縄が回されており、鳥居に貼られた護符的な物も新調が見られるためしっかりお世話されているのが分かります。
刻銘「明治三十一年旧二月六日(1898) / 阿奈猿田彦大神」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
二十三夜塔
刻銘「明治三十二年正月二十三日(1899) / 二十三夜塔」
自然石型、彫像(日天月天、瑞雲)
刻銘「昭和十年三月十五日(1935) / 柏木村講中建立 / 妙法帝釋天王 / 庚申」
自然石型
台石には「庚申」銘が残ります。普通、弘前より北側の地域、とりわけ新田地帯での帝釈天王塔は甲子信仰に基づいた建立が多いのですが、ここではご丁寧に庚申信仰が建立の背景であることを教えてくれています。
これが無かったら甲子塔に分類していたと思います。
石塔群の脇にはツカ上げもありました。庚申のツカと思われます。そこまで古いものではなさそうですが、雨風や雪にさらされてややボロくなっています。
墨書内容「奉納□二十三夜尊深秘□□柏木連中 國土昇華家内安穏五穀豊饒 □□二世安楽日月晴明風雨順時」
雲板。他のと比べると幼児が描いたような絵柄です。日天月天+岩木山のいつものセットに加え、山の麓に松原が広がっています。
すぐには思い出せませんが、このような松原を描くものもあるという記述がどっかにあったはずですので、見つけたら記事を更新したいと思います。
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