東京都文京区大塚5丁目の護国寺(訪問日:令和7年3月7日)
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不老門を通過し1番最初に右手に折れる道を進むと護国寺大師堂があります。堂を囲うようにして塀が設けられており、その上に多数の石仏石塔が安置されています。墓塔や巡拝塔が主ですが、そのうちの5基が庚申塔と認められます。いずれも元来、ここにあったわけではなく近代以降に各所より寄せ集められたものと推測されます。


刻銘「元禄二己巳天三月廿三日(1689) / 講衆敬白 / 御祈祷庚申待供養」
御尊容(立像、一面六臂、隅丸角柱型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、光背、髑髏、髑髏瓔珞、三叉戟、矢、宝輪、弓)
一邪鬼像と三猿像。邪鬼にはライオンのような鬣が表されています。これはいわゆる「獅子邪鬼」と呼ばれる邪鬼像であり、伝尸→三尸→獅子様の中尸→シシムシ→獅子の連想で編み出されたとされます。とても変わっています。


二鶏像(牡牝一対)
文字庚申塔①







刻銘「正徳六丙申歳五月朔庚申日(1716) / 小石川御箪笥町講中敬白 / 奉供養庚申塔諸願成就所 / 〈ボローン種子〉」※ボロン種子が刻まれているのは山王二十一社信仰の名残りか。
山状角柱型、彫像(日天月天、瑞雲)
二鶏像と三猿像
文字庚申塔②
刻銘「延宝八庚申年五月八日(1680) / 権僧□〜□ / 〈ウーン種子〉」
駒型、彫像(日天月天、瑞雲)
三猿像
文字庚申塔③


刻銘「延享三歳寅正月廿四日(1746) / 講中 / 庚申 / 〈ボローン種子〉」※ボロン種子が刻まれているのは山王二十一社信仰の名残りか。
基壇銘「小石川大塚町(交名3名略) / 武刕□□町河野八左衛門 / 牛込□〜□(交名2名略)」
角柱型(元笠付角柱型)、彫像(日天月天、瑞雲)
刻銘「正徳二壬辰九月吉祥日(1712) / 諸願成就」
御尊容(立像、一面六臂、舟形光背型)、その他像容・彫像(日天月天、瑞雲、宝剣、ショケラ、三叉戟、矢、宝輪、弓)
三猿像
護国寺の所在地





